驚愕、二期、ハルヒちゃん&ちゅるやさん、にまったく動きのないなかツガノさんが描かれる漫画涼宮ハルヒの憂鬱7巻が発売となりました。ハルヒちゃんの2巻もですね。
小説も漫画も自分は好きなので両方そろえているのですが、7巻の表紙の長門に瞬殺されました。
ああいうながとも、こう、グッとくるものがありますよね。
ということで、今回のssはSOS団が海外に旅行するお話です。
因みに、ss「決意」を描いたときから長門とキョンはお付き合いしている関係が続いているものとしてこれからのssをよんでいただけると助かります。
それでは以下より3部作ss(あくまでも予定)「涼宮ハルヒの小旅行1」ごらんあれ
「キョン!バンジージャンプに行くわよ!」
ドアを開けた俺を待っていたのは、満面の笑みを浮かべた歩くハリケーンであった。
こういう顔をしているときのハルヒはろくなこと考えちゃいない。
ハルヒは反応もせず完全スルーで座った俺にブスッとした顔で
「何よ、バンジージャンプに行くって言ってんの。わからないの?」
わかるんだが、わかりたくない。いつ、どこに、どうやって行くんだ?そんな資金を出せるほど俺の財布は潤っちゃいない。
「誰もアンタの貧相な財布に期待しちゃいないわよ。古泉君の親戚の方がね、スイスの・・・
なんてとこだっけ?」
「ヴェルザスカ谷です。」
「そう、ヴェルザスカ谷ってとこに別荘を持ってるらしいのよ。それで、明日から確か4連休があるじゃない?そのときに行こうって話になったわけ。」
まて、俺はその話聞いてないぞ。
「当然よ、あんたがここに来るちょっと前に決めたことだもの。有希もみくるちゃんも行くって事で了承を得てるわ」
ちょっと前に決めたって・・・そんな少しの時間で壮大なスケールを立てたというのか
「もちろん・・・キョンも行くわよね?」
ハイ、決定。
朝比奈さんと長門が了承した時点で、いや古泉がこの話を持ち出したまさにそのときから俺の決定権は失効してしまったのだ。
「で、具体的にはどんな計画なんだ?」
「そんなの決まってるわよ、バンジーしに行くの」
話が飛躍しすぎだ、バンジーするのはもうわかったからもうちょっと細部まで話してくれないか。
俺にそういわれたハルヒはおもむろに特等席から立ち上がると、ホワイトボードを引っ張り出した来た。
「しっかり聞く事ね。題して、SOS団プチ旅行よ」
そういうとハルヒはホワイトボードに文字を書き殴っていった
「まず、一日目は自由行動よ。」
いきなりかよ、バンジーはどうするんだ?
「そんなの2日目にやるに決まってるでしょ。あたしは楽しみをとっておきたいのよ。でも、ケーキのイチゴは最初に食べるわ。最後に食べると酸っぱく感じてもったいないでしょ?」
お前のケーキを食べる順序の話は聞いてない。早く話を進めてくれ。
「うっさいわね、いわれなくても今からするわよ。2日目はさっきいった通りバンジーね。後の詳しい事は現地にいってから決めるわ。」
おいおい、そんなてきとうでいいのか。まったく、先が思いやられるね。
ハルヒの突拍子もない思い付きをかいつまんで説明すると、第一に資金は古泉持ちということ。正確に言えば向こうの親戚の方が出してくれるそうだ、やれやれ、機関とやらはたいそうなお金持ちらしい。
第二に2泊3日であるということ。4連休をフルに使った計画ということだ。3泊4日でないだけまだましであると考えるべきだろう。この事は上手く親に説明するのに骨が折れそうだ
そうそう、説明し忘れていたがヴェルザスカ谷というのは何でも、有名な某スパイ映画の接着剤と同じ名前の主人公がアクションの際に飛び降りたところらしい。それを機にバンジージャンプがされるようになったという話だ。
世界でも屈指の高さを誇るらしいのだが、一番高いバンジーの場所よりもスリルを味わえるとしてそういうのが好きな人の間では知名度の高いところだと言うことだ。バンジー未経験の俺には少しハードルが高すぎやしないか?
ま、こんなかんじである。懸案事項が山盛りなことは明々白々であるが、俺自身この旅行は楽しみにしている。なんたってほとんど金をかけずに海外旅行に行けるんだ。そのために払う代償はかなり大きい気もするが楽しんだもん勝ちだ。存分に満喫させてもらうことにする。・・・そんな暇があればの話だが。
団活が終了し、各々が帰途につこうとしているとき古泉に話を振った
「今回は大丈夫なんだろうな?」
「・・・といいますと?」
「とぼけるなよ、今回のこの計画はお前が持ち出したものだということは確定済みだ。だからこの前の合宿のときのようなお膳立てをしていないかどうか不安になっただけだ。」
「ご安心ください、今回の旅行はいたって普通の旅行です。何もおきませんよ。」
ニコニコしながら古泉が言う。逆にその笑顔が怪しいんだよ、お前は。
とにかく、出発が明日なので俺は即行で家に帰り、向こうにいる分の着替えやらなにやらを親父から拝借したトランクにつめ、一緒に行こうとする妹を何とか説き伏せ、やっとのことで準備を終えた。
かの団長様が仰せられることには
「明日はいっちばん速い飛行機に乗るんだからおくれたら罰金よ、罰金!」
ということらしい。飛行機のスピードと集合時間は関係ないだろ。ってか速い飛行機って空港にある飛行機はどれも大体同じような速さだろ、詳しくはしらないが。とりあえず、俺はいつもより早めに目覚ましをセットし早めに床についた。
ところで、眠る間際というのは余計なことが頭をよぎってなかなか眠りにつくことが出来ない。今日はいつもより早めに寝ているのであまり眠くないのも拍車をかけているようだ。ぐるぐると回る思考の中で、ふと長門のことが気になった。あいつはきちんと準備できているんだろうか?そういえば、前回の合宿のときにあいつは荷物を持っていただろうか?いや、もって行かないと言うことはないだろうから、ちゃんと準備してたんだろう。ならば今回だって大丈夫なはずだ。俺が気にすることじゃない。そう思いつつもどうも気になってし方がないので、とりあえず長門に確認してみることにした。
「もしもし、俺だ」
「・・・・・・」
「あー、その、明日の準備は出来たか?」
「・・・まだ」
「早くしないと明日あわてることになるぞ。準備の仕方はわかるか?」
「問題ない。」
「そうか、ならよかった」
俺はひと安心して電話を切ろうとしたとき、長門がまだ話を続けるのが聞こえた。
「ん?どうした?」
「貴方に手伝ってほしい」
「独りじゃ出来ないってことか?」
「そう」
準備の仕方がわかるのに一人で出来ないなんて変だなとは思ったが、なにぶん長門の頼みだ。断るわけには行くまい。今からすぐ行く旨を長門に伝えると俺は物音を立てずにひっそりと家を抜け出した。親に見つかるといいわけが面倒だからな。
自転車を使うと何となくばれそうな気がしたので、走って来てみたのだが、運動不足の俺には結構な負担であったようで長門のマンションにつくころにはヘロヘロであった。
長門の部屋番を入力し中に招き入れてもらい、エレベーターを上がったところでようやく俺の息も整ってきた
インターフォンを押すと、カチャリとドアが開き中から長門が出迎えてくれた。パジャマ姿の長門は風呂に入ったばかりのようでしっとりとぬれた髪とほんのり漂うシャンプーの香りが鼻をくすぐった。俺が来る前に風呂に入っているという出来事によこしまな考えが浮かんでしまった自分を穴に埋めたい気持ちになっていると、長門に早く入るように促された。
部屋にはいるなり飛び込んできた光景に俺は少しばかりの驚きを隠せずにいた。
「あのー・・・長門さん?」
「何?」
何と平然と答えた長門の部屋の隅にはもうすでに荷造りを終えたであろう旅行用カバンが整然と置かれていたのだ
「もう、準備終わってるじゃないか」
「・・・まだ。」
長門はそういうとすっと他の部屋に消えていき、程なく戻ってきた。その腕には数着の衣服が抱えられていた。
「貴方には私の服を選んでほしい。」
「・・・へ?」
素っ頓狂な声を上げてしまったことが非常に恥ずかしい。
「それはどういう意味だ?」
「言葉どおりの意味。貴方の気に入った服を着て行きたい。」
長門がさらりといった言葉のいみが俺の脳内に刻み込まれると俺は長門を抱きしめたい衝動をこらえるのに必死だった。ただそれだけのために俺を呼んでくれたことが俺は嬉しかった。いや、長門にとってはそれだけのことではないんだろうが。
正直、俺は長門がどんな服を着ていようともあまり関係はなかった。どんな服を着ていても長門は長門であり、その魅力が損なわれてしまうようなことはないからだ。だが、一度長門に頼まれてしまった以上、ここはその責務を全うすべきだ
「うーん、そうだな。そのワンピースとかに合うんじゃないか?」
俺の言葉を聞いた長門はそのまま部屋に戻り、着替えてくるのかと思いきやおもむろにパジャマを脱ぎ始めた。
あまりにも自然に脱ぎ始めたので、俺はその事の重大さに気付かず、うっかり長門の半裸を目撃しそうになった。
「ちょっと、待った!」
「・・・なぜ?」
まず、お前はそのはだけている前を隠しなさい。ちらちらと白い肌が目に入って目のやり場に困る。
長門は無言ではだけたパジャマを引き合わせた。
「人前で、しかも男の目の前で裸になっちゃいけません。お父さんはそんな子に育てた覚えはないぞ。」
長門は数秒思考すると
「貴方は私の父親ではなく恋人。その恋人の目の前で裸になることはいたって自然な行為」
さらっとすげぇこといったな今。
「貴方は裸が嫌い?」
そういう顔をするんじゃないっ。もう、俺の中で色々抑えるの大変なんだから
「抑える必要はない。貴方が望むのなら」
だぁぁぁぁ、俺は別にそういうことによばれたんじゃぁない。と、とりあえず服を選ばなきゃな。
長門が少し残念そうな顔をしたとかそういうことは気のせいであろう。いや、そう思わないと俺の理性が持たない。
その後も幾度となく理性崩壊の危機を迎えたが何とか切り抜け長門の服を選び終えたときには12時を回ろうかというころあいだった。
「じゃ、じゃあ明日な。とはいってもあと8、9時間後にはあうことになるだろうけど」
「おやすみなさい」
「ああ」
そうして俺は長門のマンションをあとにした。
家についたときにうっかり普通に帰宅してしまい、親にこってり絞られ皿に寝る時間が遅くなったのは取るに足らないことだ。
これから起こるであろう災難に悩まされながら俺は眠りについた